2005年の初めころ、高松の丸亀町通りをたまたま歩いていたら、当時四国新聞社の生活文化部部長をされていた
明石さんに、ぱったり会った。そこで意外な仕事の依頼を受けた。

  日下さん(作家名・守川慎一郎)が若いころ映画紹介担当の記者をしていた経験を元に、古い名作映画等のエッセイを書くので、その文につけるイラストを描いてくれないかという仕事だ。

「空間と光と最小限の素材」を使って、現代美術家として発表をしてきた自分としては、新聞誌上に、連載的にイラストを描くのは、初めての経験。

しかし、退職されていたが元文化部の部長さんであり、以前、私が若いころ新聞のインタビュー記事でいい紹介文を書いてくださったこともあるお人柄の日下さんのお仕事が手伝えるということや、学生時代、週2回くらいも池袋の映画館に通っていた映画好きだった自分としとは、ぜひやりたいと思える話だったので、その場でＯＫをした。

  それから４年半くらい、守川さんのエッセイが100回を迎え、終了する2009年7月まで、描いた。

  若いころ名作映画をけっこう観たつもりだったが、エッセイに出てくる映画は、知らなかったものが大半で、古い映画を探すのに、ビデオショップをはしごしたりして、なかなか手間がかかったが、おもしろい仕事だった。